Fab11 Report – Day 1

こんにちは、FabLab Shibuyaマスターの井上です。

現地時間の8/3(月)9:00、世界ファブラボ会議(=Fab11)が始まりました。
年に1度、世界中のFabLab運営者が一同に集う世界ファブラボ会議は、過去10年間様々な地域で行われ、11回目に発祥の地であるMIT(マサチューセッツ工科大学)に帰ってきました。今日から約1週間、運営者同士の活発な情報交換が行われ、各拠点で培ったノウハウを活かしたワークショップやレクチャーが開催されます。MITキャンパス内のあちこちに特別ブースが設けられ、様々なイベントが催されます。

002 写真:Fab FoundationのSherry Lassiterによる挨拶

MITメディアラボ6階のカンファレンスルームから1日が始まります。カンファレンスルームで開催されるトークやプレゼンテーションは、各主要会場に大スクリーンで中継されています。今回のFab11では78カ国から1000人近くが参加しているとのことで、過去最大規模とのことです。それだけの人数を支える仕組みもしっかり整っている印象でした。

001写真:メイン会場の一つ、Fab Hub

003写真:プレゼンをするBoston Dynamics社のMarc Reibert氏

午前中のセッションのテーマは「Making Robots」。MITらしいテーマで、登壇者もBoston DynamicsのファウンダーのMarc Reibert氏や、Amazonの物流倉庫を動き回る配送用ロボットを手がけたKIVA SistemsのMick Mounz氏など、そうそうたるメンバーです。

http://www.fab11.org/schedule/fab-11-conversations-making-robots/

彼らのロボット作りに対するアプローチは全員少しずつ異なります。多様性に富んだフィールドをそれぞれが非常に高いレベルで実現していながら、同じテーブルでロボットという一つのキーワードをベースにディスカッションしているのが印象的でした。

さて、我々にとって初日のハイライトはなんといっても自分たちのワークショップです。昼食を早めに済ませ、準備にかかります。

004 写真:会場の準備を進めるMESH Projectの萩原さん

WSの会場は、普段はおそらく座学授業を行っていると思われる教室です。TrotecのレーザーカッターやReplicator 2X、それぞれを動かすPC一式もWS用に完備されていました。今回のWSは参加者を4から5つのグループに分けて行うので、椅子の並びを変えるなどの準備に取り掛かりました。

今回のFab11では、連日概ね14:00 – 17:00の間に同時多発的にイベントが開催されました。我々がWSを行った初日も、実に41ものワークショップやディスカッション、プレゼンテーションなどのイベントが同じ時間に開催されました。これはFabLabがいかに大規模になってきているかを感じる一幕ではありましたが、逆に自分たちのところに何人来るのか、最初から最後まで居てくれるのか非常に読みづらい展開ではありました(自分が受ける側なら、なるべく色んなイベントに参加したい)。

005 写真:MESHを紹介する萩原さん

今回のワークショップのタイトルは「Make a Gift Invention for Somebody」ということで、MESHを使ったインタラクティブな贈り物について考え、グループごとに試作・発表を行う内容です。MESHについて詳しくは下記のWebサイトをご覧ください。
http://meshprj.com/

006 写真:LittleBitsのNickと中国のFabLabメンバーチーム

007 写真:途中参加したメキシコのFabLabber

008 写真:日本からも門田さん(FL関内)、柳瀬さん(FL太宰府)、陣内さん(FL佐賀)が参加してくれました。

009 写真:レーザー加工を見守る各チーム

「Gift」と聞いて思い浮かべるイメージが国ごとに異なるせいか、MESHの使い方もチームによって異なってくる印象でした。メキシコチームはMESH自体を回転させるというアプローチで、LEDの残像が美しいオプティカルなギフトになりました。Nickと中国FabLabberの混成チームは、既存の「Twister」というゲームと「風水」にヒントを経て、その日の朝食を決めるルーレットができました。朝の献立に悩むお母さんに優しいギフトですね。

010 写真:FAB11のボランティアチーム

Day 1のレポートの締めくくりに、Fab11の屋台骨を支えるボランティアスタッフを紹介します。実は今回のWSの開催にあたり、実施できるのか否かギリギリまでよく分からない状況が続き、手続きが混乱したことでWS用の資材が用意されていないという事態になりました。幸いMESHの萩原さんが過去のWSで使用した資材一式を持ってきてくれたおかげで、何とか事なきを得ました。そんな状況を察して、余った材料を親切に回してくれたのが彼らです。段ボールやベニヤ版を回してもらい、WS中にも糸やカッターが必要だと伝えると快く出してくれました。彼らの迅速かつ手厚いサポートがなかったら、会場のドアの鍵を開けるだけで苦労してたと思います。

蛍光イエローのスタッフシャツを着ているボランティアスタッフは子供から大人まで様々です。材料を会場まで運ぶのを手伝ってくれた子が、日本のゲーム音楽を口笛で吹いていたので仲良くなったりもしました。午前中に世界のFabLabberがセッションに参加している間、子供たちは子供たちでものづくりのWSに参加しているようです。

INOUE, Keisuke

2015-08-06 | Posted in blog, Events, ReportNo Comments » 

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