DOIT Taiwan台湾滞在レポート
こんにちは、FabLabShibuyaのFabマスターの井上です。
今回は、先日井上がスピーカーとして登壇した「DOIT Taiwan」のイベントを中心に、台湾滞在レポートをお送りします。
DOIT Taiwan
会期:2015/11/14 ~ 15
会場:Taipei New Horizon 6F
https://taiwan-doit.com/
一昨年から開催されている「DOIT Taiwan」は、スタートアップやイノベーションをテーマに各分野で活躍している人が登壇し、それぞれのテーマに沿ったプレゼンテーションを行うイベントです。地元台湾の方だけでなく、香港や韓国、ヨーロッパなどからもゲストスピーカーが招かれ、日本からも井上を含め何組かの方が登壇しました。錚々たる面々が登壇するなか、光栄にも「FabLab ShibuyaのEconomy systemについて是非話してほしい」ということで、他社とのコラボレーションから生まれた「&Fab」や「湘南ラウンジ –Fab Space-」、先日開催された「Autodesk Gallery Popup」の事例などを紹介させてもらいました。ものづくりを主体として活動しながらも、物が売りにくい現代において、我々の場合は「体験」を売ることをメインコンセプトにしている点をお話ししました。
プレゼンテーション会場の外には、個人から企業まで、スタートアップから生まれた作品や製品が展示されていました。また、ワークショップやハッカソンなども行われていました。
展示スペースにはFabLab Taipeiのブースもあり、2日目の夜には設立者のTedと夕食を共にしつつ、FabLab Taipeiを案内してもらいました。
当日はダンボールで作った剣と鎧で合戦をするスポーツ(?)の団体が、それぞれの武具を作って盛り上がっていました。
壁面の大きな黒板に訪問した記念として名前を書かせてもらいました。FAN2の時のものでしょうか。FabLab Sagaの陣内さんやFabLab Hamamatsuの竹村さんのお名前も。
地下は木工を基本とした工作室になっています。素材や制作物の出し入れが大変そうですが、なかなか作業しやすそうな工房でした。Ted曰く、やりたいプロジェクトを進めていくには手狭になってきているということで、台北市郊外に、より大きな工房として移設したいと考えているそうで、今年の夏に井上も訪問したボストンのArtisan’s Asylumの様なメイカースペースにしていきたいとのことです。
今回の台湾訪問で一番驚いたのは、DOIT Taiwanの会場であるTaipei New Horizonの2階、「Crafts & Creations」というフロアの多彩な工房を偶然見つけたことです。東京で言えばミッドタウンの様なお洒落な商業施設の中に、「吹きガラス」「陶芸」「木工」「絵画」「 革小物」「現像用暗室」「彫金」といった様々なジャンルのワークショップスペースが、とても開放的な雰囲気で運営されていました。制作物のサンプルを見てもクオリティが高く、買い物客に混ざって多くの人がそれぞれの工房を利用していました。
DOIT Taiwanの様なイベントやFabLab Taipei、Crafts & Creationsのワークショップスペース群が、ごく自然なかたちで台湾の生活のなかに浸透していっているのを感じました。Taipei New Horizon近辺はアート・デザイン関連のイベントを積極的に開催しているエリアでもあり、新しいものをどんどん取り入れていく強い姿勢を感じ取れます。同時に、少し街並みを歩けば古くから営まれているであろう生活の風景も色濃く残っています。目に見える形でなくとも、そうした新旧入り乱れた「空気感」、そのハイブリッドさが台湾に感じた魅力なのかもしれません。