コペルニクテクノロジー研究会レポートとtrial#2のご案内
12月15日に開かれた、コペルニクテクノロジー研究会 trial#1。
この会は、途上国向けテクノロジーと使用者と支援者をマッチングする「コペルニク」と、デジタル工作機械を中心とした地域工房「ファブラボ渋谷」が一緒になり、途上国向けテクノロジーの「改良/改善」をテーマに活動することを目的とした、ファブラボ渋谷の公開型プロジェクトです。
第1回となるこの日は、コペルニクより中村さんと天花寺さんにお越しいただき、テーマとした「カシューナッツ殻割り機」について、基本的な使い方の紹介、気付く課題、現地からの改善要望などをダウンロードいただきました。
要点
・カシューナッツはあまり四季に関係なく栽培されており、それらをマーケットで売りながら収入源のひとつとしている
・殻を割って実の状態として販売することで付加価値となり、殻付きよりも高値で販売される
・その為、殻を割る為の機械がつくられ、いくつかの農家で導入している
・ただ、効率がいいと言われている機械は高価であり、安価なものは生産性と安全性が不安定である
生産性と安全性を向上させ、且つ、比較的安価なものがつくられることで、殻割り機を使える農家が増えその結果所得向上に繋がると仮説を置きました。
その後、実際に使われている実機を持ち込んでいただき、殻割り作業を体験。中村さんより話されたそれぞれの課題を体感します。
使用方法
黒い台座の右側に、W字型の刃(刃A)が設けられている。その部分にカシューナッツをセットします。
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右斜め方向に延びるハンドルを上からおさえ、W字型の刃にカシューナッツを押しつけます。ハンドルの先端にもW字型の刃(刃B)があり、刃Aと刃Bの尖った部分でカシューナッツをキャッチし、殻にヒビのような傷を入れます。
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ハンドルを時計回り(または、反時計回り)にまわします。一緒に刃Bも回転するので、カシューナッツにヒネリの力が加わります。
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ヒネリの力により、殻が割れる(はずでしたが、全く割れません!)
この作業は想像以上に殻が固く、またひとつひとつの形状が不安定のため、事前に中村さんより紹介された動画のよう割るには、熟練が必要であるとも感じました。長い時間試行錯誤し殻割を試みましたが、ひとつとしてきれいに割ることはできませんでした。現地でも同じような課題があるようです。
そして、もうひとつ。割れたカシューナッツから出た油により、機械の周りがべたついています。この油はウルシと同等のもののようで、触れると皮膚にかぶれを生じることがあり、扱い方にも気をつける必要があるようです。
第1回では、まずテクノロジーに触れ、課題を体感することを行いました。これらを踏まえながら、この殻割り機プロジェクトのめざす改善ポイントを挙げていきます。
理想の構造
・怪我をしない構造
・手にカシューナッツの油が付かない構造
・殻を割った実が、実の形を保つ構造
第2回では、それらを念頭に置きながらのプロトタイプが始まります。
第2回の参加者募集します!
■コペルニクテクノロジー研究会 trial#2のご案内
日時 1月20日(水)19:00から21:00頃まで(18時頃からオープンします)
場所 ファブラボ渋谷
参加費 無料
■申し込み方法
参加を希望される方は、必要事項を記入の上、メールにてお申し込み下さい。
宛先 info[at]fablabshibuya.org ※[at]を@に変換してください。
応募締切 1月20日(水)15時
定員 10名。定員になり次第、締め切らせていただきます。
(梅澤)